じつは猛暑の8月は意外と好調で、片頭痛がこれまでにないぐらいなかったんです。
これはいよいよ体質改善の効果が現れてきたかと喜んでいたのもつかの間でした。
9月になると頻発。しかもだいたい二日ぐらいでおさまっていたのがここ最近は四日連日で参りました。
片頭痛の原因は多種多様あるんですが、ここでもう一度基本にかえってまとめてみました。
目次
片頭痛体質の3大原因
- セロトニン欠乏
- ミトコンドリアが弱い
- アレルギー体質
以上3つの中で、今回はセロトニン欠乏に注目しました。
セロトニン欠乏
セロトニンというのは神経伝達物質の一つです。
大部分は腸粘膜にあり、そのほか血小板に8%、脳内に2%存在します。
片頭痛は、このわずかな脳内セロトニンの欠乏が大きな引き金になると考えられています。
セロトニンは血管を収縮させる作用や痛みを調整する作用のほか、さまざまな大事な機能に関わっているんですが、とくに脳内の神経末端に供給されるセロトニンはごくわずかなので、再回収されるなどして常に一定レベルを保ち、欠乏しないような仕組みになっています。これが厄介なんです。
疲労やストレスがたまってくると、セロトニンは一定量を保つために合成を抑制し、再回収を促進するようにはたらきます。そのせいで神経末端に必要なセロトニンが不足するようになってきます。
さらに強いストレスが続くと、ストレスを和らげようと副腎皮質ホルモンが分泌され、今度はセロトニンを再回収する取り込み口を閉鎖し、セロトニンが広く行き渡るようにしようとします。供給されるセロトニンの量は一定で変わりませんから、ますます必要なセロトニンが不足するという悪循環になるんです。
そもそも女性は男性よりセロトニンを合成する能力が低く、原料であるトリプトファンというアミノ酸が不足すると、脳内セロトニンは男性の4分の1に減少するそうです。
また、セロトニンは女性ホルモン(エストロゲン)の減少に比例するとかで、生理や閉経によるエストロゲン減少とともにセロトニン欠乏にもなりやすいんです。
セロトニンは簡単に増えてくれない
セロトニンの全体量を増やすのは簡単じゃないんですね。
たとえば、セロトニンの原料である必須アミノ酸「トリプトファン」をとればいいのではないかと思うのですが、そう単純なことではないらしい。
というのも「トリプトファン」はセロトニンだけの原料ではないからです。
「トリプトファン」はセロトニンに優先してナイアシン(ビタミンB3)の原料になるんです。ナイアシンを一つ作るのに、トリプトファンは60必要なんだそう。
というわけで「トリプトファン」をとることはもちろんですが、ナイアシン(ビタミンB3)をじゅうぶんとるのも有効な手段みたいです。
そのほか、セロトニン生成の補酵素となるビタミンB6、マグネシウム、亜鉛をとることも大切です。
ビタミンB3サプリメント
ビタミンBはB群でとるのが基本なんですが、セロトニン欠乏改善に強化したいときは、単品サプリもよさそうです。
ビタミンBはとり過ぎても弊害がないので安心。
トリプトファンからセロトニンへの代謝は優先順位が低い
セロトニンを増やす障害はナイアシンだけではありません。
血中に取り込まれるときに競合する必須アミノ酸が存在するんです。
体をつくるタンパク質の合成やそのための酵素が優先され、セロトニンの優先順位は低い。
つまり、トリプトファンを含む食品であっても、競合する必須アミノ酸含有率が高い食品では、せっかくのトリプトファンも体内に取り込まれないというわけです。
トリプトファンの量そのものより、競合アミノ酸との比が重要なんですね。
脳内セロトニンを増やすのは筋トレが一番簡単!
食事でセロトニンを増やすのは簡単じゃないということがわかりました。
じつは筋トレがいちばん簡単で確実にセロトニンを増やせる方法なんです。
セロトニンの合成に必要なトリプトファンは、ほかの競合アミノ酸との比率が大事です。
ということは、トリプトファン以外のアミノ酸をたくさん必要とする筋肉をつければ、相対的にトリプトファン比率が高くなるというわけです。
男性のほうがセロトニンの生成量が多いのは、筋肉の量が女性よりも多いというのも理由の一つと考えられています。
筋トレ本
最近また復活しました。
トリプトファン比率の高い食品と低い食品
トリプトファン比率を高くする食品
イモ類、野菜類、きのこ類、海藻類、キウイ、柿、ゴマ、ココア、カツオ、しじみ、
ビタミンB3(ナイアシン)を多く含む食品
イワシ、豚肉、牛肉、鶏肉、サバ、落花生、玄米、大豆など
ビタミンB6を多く含む食品
ピスタチオ、ごま、黒砂糖、にんにくなど
マグネシウムを多く含む食品
のり、わかめ、昆布、干しエビ、納豆、油揚げなど
亜鉛を多く含む食品
牡蠣、煮干し、抹茶、卵黄など
トリプトファン比率の低い食品
- 肉類・乳・乳製品など
- ゼラチン類
- 小麦製品
- トウモロコシ製品
- アーモンドなど種実類
- 小豆
食べ過ぎないということで。