腸内悪玉菌は善玉菌と同じように未消化物の分解を行います。
でも、その生成物が人体に有害だったり、必要な栄養素を消費したりするので悪玉菌と分類されているんです。
悪玉菌のエサは体内生成物がほとんど!?
悪玉菌が食べるのは、
- 胃・十二指腸などの消化酵素
- 腸の細胞の新陳代謝によって出るタンパク質
- 唾液や消化液・腸液に含まれている尿素
などが主なものです。
人が食べたものでは、未消化タンパク質も悪玉菌のエサになりますが、一般的には消化吸収されてしまうものがほとんどなので、食べ過ぎない限りは影響がないそうです。
悪玉菌のエサになる未消化タンパク質とは?
人が食べるタンパク質のほとんどは小腸で吸収されるんですが、
- コラーゲン
- ゼラチン
- 乾燥・燻製・焦げなど変質したタンパク質
- 魚卵など外皮や脂が多いタンパク質
などは小腸で消化吸収されずに未消化タンパク質となり、多くは悪玉菌のエサになります。
コラーゲンって美容にいいからってわざわざ食べてる人もいますよね……。美容のメリットのほうが大きいか、悪玉菌のデメリットのほうが大きいか……むずかしいところです。
ちなみに大豆などのタンパク質も消化吸収はよくないのですが、同時に善玉菌のエサも多く含んでいるので問題にならないそうです。
悪玉菌が作る毒素とは?
悪玉菌はタンパク質を分解・合成し、
- アミン類
- アンモニア
- 硫化水素
- インドール
- スカトール
- フェノール類
といった有害物質を作ります。
悪玉菌の作った有害物質は善玉菌が食べてくれます。悪玉菌と善玉菌のバランスがとれていれば、悪玉菌の作る有害物質をおそれることはないんです。
でも、悪玉菌が増え過ぎると、悪玉菌が生成した有害物質が処理しきれなくなって、解毒担当の肝臓にまで負担をかけてしまうリスクがあるんですね。
悪玉菌が増え過ぎないようにするには?
悪玉菌は少なければいいものではありません。悪玉菌の生成するものが善玉菌のエサになっているからです。
でも、悪玉菌が増え過ぎないようにするには、食べ過ぎないことも大事ですが、むしろ食事を制限するときに注意が必要なんです。
- 腸内にまったく善玉菌のエサがなくなるような無理な断食はしない。
- 腸の消化吸収能力は使わなければ数日間で退化します。消化不良のおそれがある場合は、消化吸収しやすいものから徐々に慣らしていくようにし、回復を待ちましょう。断食後の食事に注意。
ちなみに、にんじんとりんごを中心にした健康ジュースだけで過ごすプチ断食は、悪玉菌が増え過ぎるのを防ぎ、肝臓を休めることにもなる安全な方法でおすすめです。何にも食べない断食や極端な糖質制限食などは、安易にしないほうが無難なんですね。